保育士の資格を無事取得し、希望の園に就職する際に必要なのもの、それが履歴書や職務経歴書などの書類審査です。書類審査通過後、園によってはピアノや読み聞かせといった実技試験がある園もあるかと思います。今回は、園の選考でも非常に重要な意味を持つ履歴書欄の保育士の志望動機について考えていきたいと思います。
これから新たに希望する園の面接試験や書類選考にのぞむ方はぜひ、記事をチェックしてくださいね。また、現在、「保育園に就職を希望していて志望動機を考えているんだけど、なかなか書けない・・・」という方のお役に立てればと思います。具体的な志望動機の実例も紹介していきます。
保育士の志望動機を書くためのポイントって何?
保育士として就職を希望されるまでには、保育士になりたいと思った動機があるかと思います。一般的に考えてみると、保育士になりたい人は「みんな子どもが好き」という理由がらだと考える方もいるかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか?ここでは、履歴書の志望動機を書くための基本的なポイントを紹介したいと思います。大きくわけると3つのポイントがあります。
何故、この園で就職したいと考えたのか?
希望する園の保育方針や目標なども読み込んだ上で自分が何故、この園で働きたいと考えているのかを園に分かりやすく伝えることが大切です。
希望する園のどこに惹かれたのか?
面接官は他にも就職できそうな園があるのになぜ、この園を志望したのか、他の園と比較してこの園に特に魅力を感じた点を知りたいと考えています。自分の理想とする保育像と園の保育方針が合っているということであればなお良いでしょう。
何故、多くの職種の中から保育士とを選んだのか?
この部分は、保育士を目指したきっかけを素直に伝えることが重要です。自分の子どもの頃に素敵な保育士さんとの出会いがあったなど個人の思い出とからめることもよいかもしれません、
これから保育士として子どもにどのように向き合っていきたいか、保育士という仕事のどのあたりに魅力を感じるのかなどをまとめるとうまく整理できると思います。また、希望する園に自分が貢献したいことなどがあればそれを伝えるのも一つの方法です。
この3つのポイントを考えながら、まずはA4用紙に箇条書きで構わないので思いつくものから書き出してみましょう。そして、それぞれの項目の優先順位の高いものを1つに絞ったところでそれらをうまくつなぐことができれば志望動機は完成します。後述で志望動機の実例もいくつか記載しておきますので、参考にしてください。
志望動機の書き方のコツを解説
次に、実際に志望動機を書いていく上での注意する点を整理しておきたいと思います。
1.ネガティブ表現で前職の退職理由は書かない
基本的な注意点ですが、前職が保育士であってもなくても志望動機に前職の退職理由は不要です。特に面接などで聞かれた場合は口頭で説明すればいいため、志望動機への記載は控えた方が無難です。また、前職からの転職などで保育士になる場合は、前職の悪口や前職と比較して○○だといったようなことは書かないのがマナーです。
2.給与や待遇面での希望が盛りだくさんな履歴書
履歴書には、給与額の希望や待遇面での希望を記載できるところがある履歴書も流通しています。しかし、履歴書に給与面や待遇について過剰に書くことはNGです。もしどうしても給与や待遇面で園に聞きたいことがでれば、面接の際に簡潔に聞くことをおすすめします。
3.体調面でフォローが必要、不安があれば必ず履歴書に記載する
保育士の仕事は、子どもの命を預かる大変責任の重い仕事です。それは子どもに直接関わる保育士の体調についても万全でなければ対応できないこともあることを示しています。そのため、自分の体調面で不安な点がある場合は事前に園に伝えておくことをおすすめします。
特に他の人のフォローが必要なこと(定期的に病院を受診しなければならない持病がある)であればなおさらです。仕事を休むことも考えられることから周りの協力や理解が不可欠です。
実例でみる保育士の志望動機
実際の例を見て志望動機の書き方がわかりやすいので、実例を見せながら説明していきます。
新卒で保育士を希望する際
新卒で求められる保育士像としては、教えてことを素直に吸収し、伸びしろがある人物像です。職場の中で明るくふるまえることや頼まれたことについては、フットワーク軽く動ける人かどうかも大切なポイントです。
<実例>
私は0才から保育園に通っていました。幼い頃に保育士の先生方に頂いた優しい言葉がけは今でも忘れることはありません。この経験から、自然と保育士という仕事を志すことになりました。貴園を志望したのは、夏休みにお世話になったボランティアでの経験です。
子どもたち同士が喧嘩をしている場面でも、双方の意見をしっかり聞き、子どもたち1人ひとりの心に耳を傾けている姿は大変印象的でした。私も先生方のように常に子どもの気持ちに寄り添っていける保育士でありたいと思っています。
一度保育士から離職、ブランク後復帰する際
もともと現職の保育士をしていたが、自身の出産や育児のため退職した、しかしまた復職したいというパターンです。この場合、自身の子育て経験も保育士の仕事に生かせることからブランク自体はあまり問題にならないかと思います。保育士の仕事から少し離れたことで不安も多いかと思います。
家庭と仕事の両立や自身の子どもが風邪などをひいた時の家族のサポート体制などを積極的に伝えていきましょう。復職するにあたって家族もサポートしてくれていると園に伝えることが出来れば、園も復職に前向きに検討することができます。
<実例>
新卒として保育園に就職しましたが、結婚を機に退職しました。その後出産も経験しております。一度、保育士の仕事から離れたものの、自分の子どもや友人の子どもの成長を目の当たりにし、保育士に復職したいという気持ちが沸いてきました。娘も今春から保育園に入る予定です。娘の送り迎えは実母がしてくれるなど、家族のサポートも受けながら頑張っていきたいと考えています。
自分自身も子どもを持ったことにより、保護者の気持ちもよりリアルにわかるようになりました。保護者の皆様はもとより、子どもたちにもより寄り添える保育士でありたいと思います。
パートやアルバイト、嘱託職員の採用枠で希望する際
パート、アルバイトの保育士は近年の保育士不足でより需要が高まっています。家庭を持っている保育士にとっても時短や希望のシフト時間でのみ働くことができるパートやアルバイトは魅力的かもしれません。
この場合は、自分はどの時間帯であれば働くことができるのかを明確にする必要があります。もし、前職が保育士であった場合はアピールポイントになります。自分が今までしてきた経験も積極的に志望動機に盛り込んでいきましょう。
<実例>
6年前の出産前までは正規職員の保育士として仕事に従事していました。現在は子どもも大きくなり少し手がかからなくなったことでもう一度、保育士の仕事に携わりたいと思うようになりました。そのため、貴園のパート保育士募集に応募させて頂きました。
応募要項にありました9:00~15:00の時間帯での勤務を希望しています。貴園から自宅が近距離にあることから自転車での通勤です。急な出勤要請にもできる限り対応させていただきたいと思います。
できるだけ、自分がこれまでした経験を志望動機に記載するようにすると具体性が増します。保育士になろうと思った昔の思い出など、その人しかないエピソードがあるとなお良いと思います。
保育士の志望動機で悩まれている方へ
いかがでしたか?
ここまで保育士の志望動機の書き方や注意点、実例集などを具体的に見てきました。参考になった文章はありましたか?
採用試験を突破する際に最初の関門が書類審査です。書類選考で不合格になり、面接まで進めないこともあるかもしれません。そのようなことにならないためにも履歴書の志望動機の書き方、実例も参考にしながらよく検討して書いてくださいね。
そして、最も大切なことは最後は、「保育士の志望動機は自分の言葉で書き上げること」です。その気持ちは、きっと希望する園に伝わります。頑張ってくださいね。